開発経緯
現在、様々な分野において、模倣品・海賊版・コピー品が横行しています。特許、著作権、商標等があるにもかかわらず、一向に守られる気配はありません。模倣品が流通し自社の売上にも影響がでるとともに、何といっても大切な顧客にも多大な迷惑をかけてしまっている、と悩んでいる経営者も多くみられます。しかしながらこれといった解決策はいまだ出てきていません。
従来からのコピー品を排除するための対策のうち典型的な対策は、「モノ」自体を区別することです。「本物証明」です。見た目では全く区別ができない高精度の模倣品も多く、そのため「モノ」に特殊なシールやホログラムを貼ることで対応するところも出てきています。しかしながら模倣技術も高度化しており、いたちごっこの様相を呈しています。
われわれはこの事態を解決するために、「本物所有証明」という発想をもとに、「モノ」と「所有」の両面でのアプローチを検討しました。つまり「モノ」に加え「流通履歴」も管理することにしたのです。通常「モノ」の譲渡の記録は一回ごとに記録されています。これを連続でかつ改ざん艱難な形式で記録することで正統な所有であるかどうかを判断します。つまり「本物所有」=「正当なモノ」+「正統な由来(所有)」ということです。この観点から開発したのが「Pedyシステム」です。
所有の概念
「モノ」だけでなく「Pedy」も持つことが「本物所有」の証となります。たとえば、「Pedy」しか持っていない人は、「モノ」を持つ権利があるのに「モノ」を持っていない人、と考えます。一方で、「モノ」だけしかもっていない場合は、正統に受け取っていない人、つまり「盗品」「犯罪品」でないか、という疑いがかけられます(当然、Pedyをなくした可能性もありますが・・)。「所有」に関しては「モノ」より「Pedy」が優先するわけです。
安心できる入手経路を提供すること、いいかえると「信頼できる流通コミュニティを作り上げること」がPedyシステムの役割だと考えています。
Pedyとは
Pedyとは購入者や譲渡を受ける人に電子的に発行する、「モノ」の「譲渡(販売・移動)証明書」です。「モノ」に加え「Pedy」をもつことで、本物所有が証明されます。
「モノ」の認証
まず「モノ」が正規品であることを認証します。権利者自身やコンテンツ管理を委託された方が認証するとより厳密になります。それ以外の場合でも、例えば、製造許可証、キャラクター使用許可証、正規販売代理店等の書類を確認することで、厳密な運用が可能になります。この認証を受けた「モノ」だけがPedyを発行することが可能になります。
流通履歴記録・保存
Pedyシステムでは、「譲渡者」と「譲渡を受ける者」を1セットとして記録し、これが連鎖していきます。「モノ」ごとに系統樹が作られ、取引されるごとに枝がのびていくイメージです。このような形で記録されたデータは暗号技術とサーバーの管理方法を組み合わせることで、改ざんやデータ流出(漏洩)に対して高いセキュリティを持っています。(特許申請中)
システムの柔軟性
このシステムは既存のシステムや技術と共存可能です。今お使いの販売、決済等のシステムとは独立に、あるいは連携させてることが可能です。
シンプルな操作性
Pedyを取得・保有・譲渡したい方は、基本的にはアプリをダウンロードして必要情報を入力して会員登録をするだけで、すべてのPedyの管理が可能になります。会員同士でのプレゼントや譲渡、売却に使用することが可能です。会費は基本的には無料です。
模倣品流通に対する心理的な抑止効果
悪意のある人間が「本物」を「模倣品」にすり替えて流通させることもあるとは思います。その場合でも、Pedyシステムでは流通記録がすべて保持されています。途中ですり替えや偽造が判明した場合、一回では厳密な特定は難しい場合でも範囲は絞れますし、それが頻繁に起こった場合にはその人間を特定することはさほど難しくはありません。そもそも大量の「模倣品」をPedyシステム内に流通させることはかなり難しいので、リスクリターンを考えると実質的な抑止効果も高いと考えています。
その他の活用分野
模倣品問題だけでなく、正当性の証明を必要とする分野は多くあります。たとえば資格証等の証明書提出も、一度発行したものを何度も使えれば便利です。このシステムを使えば提示者にも提示された者にも記録が残っていきます。このように、Pedyシステムの応用範囲は広いと考えています。